軕や山車は、その構造上の特徴から、型と呼ばれ分類されます。高田の3軕は、その独特な構造上、高田型と呼ばれています。高田型は、名古屋型や知多型(広義の名古屋型)等の構造に加え、高田商店街の地形に合わせ発展させた型となっています。同じ構造でも呼称や漢字の違いがありますので、ご注意ください。

照鱗閣軕は、子供歌舞伎を芸とする軕のため、長浜形式です。


高田型と名古屋型は、以下の共通した構造をもっています。

・屋根の上げ下げが可能

・車輪は外輪で、外側に鉄輪が取付

・巻き込み防止の輪掛け(輪懸け)がある

・からくり人形が乗せられる

・前軕(前棚)采振り人形が載せられる

・大幕、水引幕がある


その他の構造についての比較です。()内は一般的な名古屋型

・中段以上が自在に回転(なし)

・中段にも高欄(なし)

・中段は柵状で可動しない(胴山の格子は可動)

・梶棒は下段に差し込み(楫棒は本体に締付、棒締)

・前後の中央にそれぞれ1本梶(山車の側面に1楫ずつ)

・梶棒を押して方向転換(楫棒を担いで方向転換)

・見送り幕あり(なし)

・彫刻が多い(少ない)


高田型の回転機構の特徴

高田型の大きな特徴として、中段以上の回転機構がある。回転機構自体は、隣県だけでも「関の山」の語源となっている三重県関町の関祭り、滋賀県近江八幡市の浅小井祇園祭の六基のうちの2基の山車をはじめ、いくつかの祭りでも見ることができる。多くの場合は、回転の勢いを披露したり、競い合うものが多い。高田型の回転機構は、道幅が狭い商店街を軕本体の向きを変えずに進行方向に回転させる、奉芸時に神社などに正面を向けるためとして回転機構を持つ稀な軕です。

回転機構のために、以下の構造上の工夫がされている

・軕の上・中段を下段の1本の軸で支える(上段・中段、装飾品は人の重さを1本の軸で支えています)

・下段には、軸を支える梁が置かれている

・通常時に軕が回転しないよう、杭で固定されている

・軕の角に四角付(よすみつき)という係がおり、回転時の巻き込み防止を防ぐ


回転させる場合の流れ(西町軕組の場合)

1.愛宕神社前等、回転させる場所に到着

2.四角付が周囲の安全を確保、前後の杭を外す

3.軕曳委員長が、回転方向(時計回りか、反時計回り)を指示し安全を確認

4.「せ~の、よいさ~」という掛け声と、拍子木を叩き合図

  回転させる場合は、ゆっくりと拍子木をカーン、カーン、カーンと叩く

  回転を止める場合は、素早く拍子木をカンカンカンカンと叩く

5.前後の杭をはめる


高田型での違い

同じ型がすべて同じ構造を持つというわけでもなく、実際には本来の型に当てはまらない構造や装飾品を取り付ける場合も多い。それは高田型においても同様である。屋根の上げ下げは、猩々軕の場合は、中段から屋根を上げ下げし、長さの異なる木棒をかませて固定する。林和靖軕は上段で屋根の上げ下げを行う。また、通常時に軕が回転しないように固定する方法は、猩々軕の場合は、下段の梶棒横に前後1か所ずつ。神楽獅子軕は杭ではなく、くさび。林和靖軕は、中段内部に1か所。


参考:呼称の違いについて

高田型の呼称標準的な名古屋型の呼称
からくりを上演する場所(二階)上段上山(かみやま)
お囃子を演奏する場所(一階)本軕、中段胴山、下山
正面前の棚前軕前棚
車輪下段、台輪(だいわ)台輪(だいわ)、車輪
輪がけ(わがけ)輪掛け輪懸け
かじ棒(かじぼう)梶棒楫棒

高田型が上中下段と呼称するのは、中段と下段が分離できることが由来です。