高田まつりを軕組の視点からご紹介します。軕組によって、呼称や役職名が異なりますので、特段の記載がなければ西町軕組に準拠します。

軕をもつ地域を軕組と呼びます。4月頃、各軕組から、まつりに関わる役員が選挙により、愛宕神社に奉仕する神事課が話し合いの上で選出されます。その後、役員の中からさらに軕組の最高責任者に当たる祭事委員長が選出され、理事2名、会計を選任し4名をもって三役と呼称されます。その後、軕曳き、囃子方、人形方、獅子方等の細かい役割が決められ、それぞれ準備を始めます。

かつては、5月5日にまつりに軕を曳き出すかどうかを決定する「初寄会」が行われていました。災害や、不作による資金難等を理由に、軕組単位で軕を曳き出さないということもありました。現在では、毎年曳き軕が行える状況にあるため、「初寄会」はなくなりました。また、17日には「地ならし」が行われていました。これは、道路がアスファルトで舗装されていない頃、軕を試験的に曳き、運行に支障がある部分は土をかぶせ、軕の不具合を確認していた名残でした。2002年(平成14年)に猩々軕が行ったのを最後に行われていません。18日に「試楽」、19日に「本楽」と固定日に開催されていましたが、平成に入り、5月の第3土日の開催となりました。

5月に入ると、各軕組関係者の動きも活発になり、何度も寄合を重ねます。お囃子やからくり、獅子舞の稽古も本格化し、夜の商店街にはお囃子の稽古の音色が響き、いよいよまつりの到来です。

5月第3土曜日「試楽」

午前中:各軕が試楽用の飾りつけ。曳き軕開始まで軕倉前で据え置かれます。

15時:3軕曳き出し。

16時20分:下河原軕組が常盤町神明神社で神楽奉納を行います。

17時:3軕は西町と中町の境に集結し『曳き寄せの儀』が執り行われます。各軕組の役員らが、まつりの開催を告げ、盛大に、無事に終えることを願います。

19時~21時:軕倉前3軕がライトアップされます。お囃子の生演奏や、からくり人形の実演が行われる場合もあります。2010年(平成22年)から始まった試みです。

5月第4日曜日「本楽」

・午前の部

7時頃:各軕が本楽用の飾りつけ。その後、役割に応じ、紋付羽織袴、浴衣等に着替えをし、備えます。

9時15分:下河原軕組が御旅所に神楽獅子を奉芸。神楽獅子軕、林和靖軕、猩々軕の順で愛宕神社に向かい、それぞれ獅子舞、からくり奉芸を行い、商店街の西端まで曳かれ、据え置きます。

11時:愛宕神社本殿で氏子総代や各軕組の役員らが参列し、宮司により『祝詞の儀』の奏上を行い、舞姫による『浦安の舞』が奉納されます。その後、ご神体が神社から御旅所へ遷られる準備をし、『神幸の儀』に移ります。警護の行列に伴われたご神体行列は商店街を一回りし、御旅所に遷られます。かつては、お神輿によって御旅所まで遷られていましたが、現在では、神籬台(ひもろぎだい)を用いています。

・午後の部

13時30分:3軕曳き出し。商店街の西端に据え置かれた3軕は、その年の順番で御旅所へ向かいます。道中では、神事課の家、辻道で奉芸。

17時頃:御旅所に最後の奉芸。その後、各軕はすみやかに提灯や雪洞を取り付け、宵軕用の飾りつけを行います。

・宵軕

20時:御旅所ではご神体が本殿に還られる準備をし、『還幸の儀』を行います。ご神体行列の後を、約200個の提灯や雪洞で輝く3軕が、猩々軕、林和靖軕、神楽獅子軕の順で随行します。

21時頃:愛宕神社にて神様をお見送りします。

21時20分:西町と中町の境に曳き寄せられ『曳き別れの儀』を行い、まつりが無事に終了したことを告げ、幕を閉じます。その後、軕倉に戻り、飾りを取り外します。

その後、各軕の日程により、軕を骨組み状態にし、装飾品等を収納箱に収める軕おろし、または、後軕が行われます。